1 基本方針
株式会社パームリンク(以下「事業所」という)は、利用用者の人権を守り、安全で健やかな生活を確保するため、老人福祉法及び介護保険法等の趣旨を踏まえるとともに、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第 124 号、以下「高齢者虐待防止法」という。)に規定する、高齢者虐待の防止等のための措置を確実に実施するために本指針を定める。
2 高齢者虐待の定義
(1)身体的虐待
暴力的な行為などで身体に傷やあざ、痛みを与えたり、外部と接触させないような行為。
(2)介護・世話の放棄放任
高齢者が必要とする介護や医療のサービスなどを受けさせない、衛生状態が悪いなどの劣悪な環境で生活させること。
(3)心理的虐待
暴言、無視をする、威圧的な態度をとる、侮辱するなどをして精神的、情緒的に苦痛を与える。
(4)性的虐待
合意のないあらゆる形態の性的な行為を行ったり強要する。排泄の失敗に対して懲罰的に下半身を裸にして放置するなど。
(5)経済的虐待
高齢者の年金を勝手に使用したり、財産を無断で売却する。日常的に必要な金銭を理由なく渡さない、使わせないなど。
3 虐待防止検討委員会その他施設内の組織に関する事項
(1)苦情処理の徹底
事業所内における高齢者虐待を防止するため、利用者及びその家族等からの苦情について、真摯に受け止め、これを速やかに解決できるよう苦情解決体制を整備する。
(2)虐待防止検討委員会の設置
① 事業所は、虐待発生防止に努める観点から「虐待防止検討委員会」(以下「委員会」という。)を設置する。
なお、委員会の委員長は訪問看護ステーション管理者とする。委員会は委員長と担当者で構成する。
② 委員会のメンバーは委員長が数名選出するとする。
② 委員会の開催にあたっては、関係する職種、取り扱う内容が相互に関係が深い場合には、事業所が開催する他の会議体と一体的に行う場合がある。
③ 委員会は、定期的(年1回以上)かつ必要に応じて担当者が招集する。
④ 委員会は、次のような内容について協議するが、詳細は担当者が定める。
- 虐待の防止のための職員研修の内容等に関すること
- 虐待等について、職員が相談・報告できる体制整備に関すること
- 職員が虐待等を把握した場合に、市町村への通報が迅速かつ適切に行われるための方法等に関すること
- 虐待等が発生した場合、その発生原因の分析から得られる再発の確実な防止策に関すること
- 再発防止策を講じた際に、その効果及び評価に関すること
4 高齢者虐待防止のための職員研修に関する基本方針
(1)職員研修の実施
① 職員に対する虐待防止のための研修内容は、虐待の防止に関する基礎的内容(適切な知識の普及・啓発)と併せ、事業所における虐待防止の徹底を図るものとする。
② 具体的には、次のプログラムにより実施する。
- 高齢者虐待防止法の基本的考え方の理解
- 高齢者権利擁護事業及び成年後見制度の理解
- 虐待の種類と発生リスクの事前理解
- 早期発見・事実確認と報告等の手順
- 発生した場合の改善策
③ 研修の開催は、年1回以上とし、新規採用時には必ず実施する。
④ 研修の実施内容については、出席者、研修資料、実施概要等を記録し、電磁的記録等により保存する
4 虐待またはその疑い(以下、「虐待」という)が発生した場合の対応方法に関する基本方針
(1)利用者本人又はその家族、訪問した職員からの虐待等の通報・報告があるときは、事業所虐待対応マニュアルに基づき対応する。客観的な事実確認の結果、虐待者が職員であったことが判明した場合には、役職の如何を問わず厳正に対処を行う。
(2)緊急性が高い場合は事業所虐待対応マニュアルに基づき被虐待者の権利と生命の保全を優先する。
5 虐待等が発生した場合の相談・報告体制に関する事項
(1)利用者本人又はその家族、訪問した職員からの虐待もしくは虐待が疑われる相談等があった場合は、事業所虐待対応マニュアルに基づき対応する。
(2)職員は、虐待を裏付ける具体的な証拠がなくても、利用者やその家族の様子の変化を迅速に察知し、それに係る状況の把握等の確認に努めなければならない。
6 成年後見制度の利用支援に関する事項
(1)虐待対応責任者(管理者)は、利用者の人権等の権利擁護のため利用可能な権利擁護事業について説明し成年後見制度の利用を利用者やその家族等に啓発する。
(2)家族の支援が著しく乏しい利用者の場合、まずはケアマネジャーや相談支援専門員に相談し、地域包括支援センターや市等と連携し、成年後見制度が利用できるように支援する。
(3)利用者やその家族から、成年後見制度の利用について相談があった場合は、まずはケアマネジャーや相談支援相談員に相談し、地域包括支援センターや社会福祉協議会または自治体等の適切な窓口を案内するなどの支援を行う。
7 虐待等に係る苦情解決方法に関する事項
(1)虐待等の苦情相談については、苦情を受け付けた者は、寄せられた内容について苦情担当者に報告する。当該担当者が虐待等を行った者である場合には、他の上席者に相談する。
(2)苦情相談窓口に寄せられた内容は、相談者の個人情報の取り扱いに留意し、当該者に不利益が生じないよう細心の注意を払う。
(3)対応の流れは、上述の「5 虐待等が発生した場合の相談・報告体制に関する事項」に依るものとする。
8 指針の閲覧
「高齢者虐待防止のための指針」は、求めに応じていつでも事業所内で閲覧できるようにする。
9 その他虐待防止の推進のために必要な事項
(1)その他の取り組み
① 提供する居宅サービスの点検と、虐待に繋がりかねない不適切なケアの発見・改善
② 職員のメンタルヘルスに関する組織的な関与
③ 本指針等の定期的な見直しと周知
④ 外部研修の参加
附則
本指針は、令和6年3月1日から施行する。